軍用地の相続問題

相続において、相続の対象となる財産は土地と預貯金が主です。
そして、その土地の中には宅地、農地、など様々ありますが、その中に軍用地が含まれていて問題となることもあります。

 

 

 

 

 

軍用地とは

軍用地という言葉をニュースなどで聞くことがあると思いますが、軍用地とは自衛隊や米軍の基地などのことを言います。
軍用地は国が所有しているように思われる方が多いです。
しかし、国ではなく一般の方が所有している場合もあります。
一般の方が土地を軍用地として国に貸している場合もあるのです。

 

軍用地は佐賀県や長崎県にもあります。
例えば、佐賀県であれば、神埼郡吉野ヶ里町に目達原(めたばる)駐屯地があります。
    長崎県であれば、佐世保市に米軍基地があります。

 

軍用地は国が借りているため安定して賃料を得られることから、その価格も大きいと考えられています。また、安定した賃料を得られることから担保としての価値も大きいと考えられています。
このように軍用地は価値が大きいと考えられているため、相続の際に誰が取得するかと言う点で問題になることがあります。

 

普通の土地と軍用地の相続の方法の違い

それでは、相続の際、普通の土地と軍用地ではどのような点で違いがあるのでしょうか。

 

普通の土地を相続する場合は、遺産分割の方法は、
①現物分割、②代償分割、③換価分割、④共有分割の4つあります。
普通の土地の遺産分割の場合、④共有分割の方法は最終的な解決にはつながらないため裁判所も利用したがらず、利用されることが少ないです。

 

例えば、兄弟(姉妹)2人で一つの土地を共有状態にしてもお互い利用が難しいですよね。
結局、後で共有物分割訴訟となってしまうことがよくあります。

 

これに対し、軍用地の場合は、④共有分割を利用することができます。
それは、軍用地の場合、軍用地を取得した人が直接利用できるわけではなく、軍用地の賃料を受け取ることしかできないからです。共有分割により軍用地を共有状態にしても、軍用地の賃料は相続人で平等に分けることができます。

 

例えば、兄弟(姉妹)2人で一つの軍用地を共有状態にしたとします。もちろん軍用地として利用しているため兄弟(姉妹)2人とも土地を利用することはできません。ただ、軍用地の賃料を姉妹2人が持分に応じて受け取ることができます。軍用地の持分が半分ずつであれば、賃料10万円を5万円ずつで分けることになります。

 

相続が発生し遺産分割で揉めそうな際、相続財産に軍用地が含まれているような場合は共有分割という遺産分割の方法を検討することも一つの手段といえるでしょう。

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